饗宴外交の舞台裏
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国際会議成功の裏にあったフィンランドの“二皿外交”
アジア欧州会議(ASEM)の第六回首脳会議が九月十、十一の両日、フィンランドの首都ヘルシンキで開かれた。 アジアと欧州の計三十八カ国と一機関が加盟するASEMだが、首脳、閣僚、それに随行員を含めた参加者総数はざっと千五百人。人口五百万人のフィンランドにとって、これだけの規模の会議を主催するのは初めてのことだった。今年下半期の欧州連合(EU)議長国でもある同国にとって、国際社会で存在感を示す機会であり、政府一丸となって各国の接待に努めた。 最後の外遊となった小泉純一郎首相はヘルシンキ入りした八日、バンハネン首相の案内で、フィンランドの作曲家ジャン・シベリウス(一八六五―一九五七年)が後半生を過ごした首都郊外の家を訪ねた。

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