「第2次難民危機」招くトルコ「国境開放」をEUは抑え込めるか

執筆者:熊谷徹 2020年3月12日
タグ: メルケル
エリア: ヨーロッパ
トルコからギリシャに侵入しようと国境沿いに集まった難民たち (C)AFP=時事

 

 シリア北部での戦闘激化と、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の強硬な態度により、欧州の頭上には再び難民危機の暗雲が広がり始めた。

7万6000人がギリシャへ

 危機の焦点は、ギリシャ北東部のカスタニスに近いトルコとの国境地帯だ。ここには3月初めから多数のシリア難民らが集まり、金属製のフェンスを突破してギリシャに侵入しようと試みている。これに対抗するギリシャの警官隊は、催涙ガスや放水車によって、難民の侵入を食い止めようと必死だ。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
熊谷徹(くまがいとおる) 1959(昭和34)年東京都生まれ。ドイツ在住。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン特派員を経て1990年、フリーに。以来ドイツから欧州の政治、経済、安全保障問題を中心に取材を行う。『イスラエルがすごい マネーを呼ぶイノベーション大国』(新潮新書)、『ドイツ人はなぜ年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)など著書多数。近著に『欧州分裂クライシス ポピュリズム革命はどこへ向かうか 』(NHK出版新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」 欧州コロナ150日間の攻防』 (NHK出版新書)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか 』(SB新書)がある。
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