
2021年は「アラブの春」から10年という節目の年でもある。唯一の民主化の成功例とされてきたチュニジアで政情不安が続く ©︎AFP=時事
今年の9月11日の米同時多発テロ記念日は、さほど注目を集めることもなく去っていくのではないかと、一時は思われた。近年は9・11事件の記憶も薄れつつあり、記念日に取り立てて目を引く報道やイベントがないままで過ぎるようになっていたからである。年を経るにつれて、実行犯の逮捕・起訴・公判といった新事実も出なくなり、犠牲者の追悼や遺族の回顧といった切り口も新味がなくなってくる。いきおい、メディアでの取り上げ方もおざなりに、型通りのものになってきているように見えた。

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