国内政治に翻弄された外交:米中対立の東アジアに「独自性」を構想できるか

ブッシュ米大統領(当時)との関係は、小泉氏の国内政治基盤を強化することにもつながった ⓒAFP=時事
個人的体験から始めたい。
2003年4月9日。朝日新聞の政治担当編集委員だった私は、東京・築地の朝日新聞本社6階の編集委員室でテレビ画面を見つめていた。米軍がイラクに侵攻したというニュースを聞いたからだ。テレビは現地の映像を伝えていた。米軍の兵士が次々と首都・バグダッドに入り、サダム・フセインの巨大な銅像が倒されるシーンが繰り返し流された。イラク側の抵抗の様子はなく、街にはイラク兵の姿も見えない。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン