日本の死角「サイバー・プロパガンダ」:「情報安全保障」で新型戦争に備えよ

執筆者:小泉悠 2021年9月30日
エリア: 北米 ヨーロッパ
サイバー戦は「戦争」のあり方をどう変えるのか(C)Gorodenkoff
サイバー空間での諜報、破壊工作、プロパガンダという闘争が平時にも有事にも続く「新しい戦争」に、われわれはどう対処すれば良いのか。いち早くサイバー戦の可能性に気付いたロシアの事例をあげながら、小泉悠・東京大学特任助教が「情報安全保障」の重要性を説く。

 

 2001年というと、日本ではようやくインターネットが一般家庭でも使用され始めたばかり、というくらいだったろうか。新テクノロジーを見るととりあえず拒否してみせる筆者の父がようやくインターネット回線を引いたのがこの頃であったと記憶する。ロシアでのインターネットの普及はもう少し遅く、ブロードバンド接続が当たり前になったのは、都市部でも2000年代後半以降ではなかっただろう。

 だが、ロシアの情報機関は違った。サイバー時代が到来するや否や、これが新たな諜報戦の手段となることを見抜いていたのである。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
小泉悠 東京大学先端科学技術研究センター特任助教。1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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