日本の政治家が「できもしない政策」を選挙で叫ぶ無惨な理由

執筆者:磯山友幸 2021年10月21日
タグ: 岸田文雄 日本
「選挙目当て」の政策が乱舞する ⓒ時事
世論調査が示す総選挙の関心事は「経済・財政政策」。しかし安直な「野党共闘」から出てくるメニューもブレ続ける岸田首相の発言も、結局は具体性の欠けた夢物語で違いがどこにあるのかもわからない。この国の政治は、いま「政策立案力」を急速に失いつつある。

 4年ぶりの総選挙が公示された。10月31日に投開票される。左派野党は多くの小選挙区で選挙協力し候補者を一本化、与党対野党の「政権選択選挙」である点を強調して選挙戦に臨んでいる。受けて立つ自民党は、菅義偉前首相では選挙は戦えないと、総裁選で岸田文雄氏を選び、岸田内閣が発足するや、その評価が定まらないうちに解散・総選挙を急いだ。

 政権選択選挙となれば、本来は政策の違いで投票先を決めることになる。世論調査では、多くの有権者の関心事は「経済・財政政策」にある。ところが、与野党が主張する経済政策を聞いていても、なかなか違いがはっきりして来ない。野党も与党も、給付金の支給や積極的な財政出動など、国民の耳に心地良い政策ばかりを声高に訴えている。本当にその政策が実現できるのか、財源などを考えるとどう考えても難しいが、増税など国民に痛みを求める政策はどの党も語らない。日本経済が直面している困難は、そんな「綺麗事」では乗り切れないのは明らかだが、どの政党も「夢物語」のような美しい話しかしない。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
磯山友幸 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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