スサノヲの正体を明らかにすることはできるだろうか。
歴史をひっくり返した『日本書紀』
「神のモデルが本当に実在したのか」と思われるかもしれない。しかし、考古学がヤマト建国の詳細を明らかにしてくれて、神話が何かしらの事実をもとに記されていた可能性が高くなってきた。たとえば天孫降臨神話も、天上界から日向(南部九州)の高千穗に降りたあと、歩いて向かった地は笠狭碕[かささのみさき](鹿児島県南さつま市の野間岬)だったが、ここは、南西諸島から日本海や朝鮮半島に通じる航路の寄港地だった。その重要性を見落としてきたのは、現代的な感覚で地理を眺めていたからだ。神話には、何かしらの歴史がちりばめられている。
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