ミャンマーという民主主義の「戦略的支点」
Foresight World Watcher's 5Tips
今週もお疲れ様でした。ミャンマーのクーデタから2月1日で3年になります。ロシア・ウクライナ戦争の陰で、現地あるいは在外のミャンマー人から「忘れ去られた」との訴えが続いてきた国軍による恐怖支配は、昨年10月27日の少数民族武装勢力による一斉蜂起以降大きな転換点を迎えています。国軍兵士に“戦闘疲れ”が広がっているとの指摘もあります。ただ、攻める少数民族側も互いの対立や緊張関係を抱えており、国軍政権を打倒するまでの動きに発展するかは未知数です。
そのミャンマーを「大半の国民が中国に対して否定的な意見を持っており、民主主義が最良の政治形態だと考えている」として、市民との同盟を訴えるのは日本でもよく知られた元米国家安全保障会議（NSC）アジア部長のマイケル・グリーンと共和党国際研究所（IRI）所長のダニエル・トワイニングです。下記のFA誌論考は、“トランプ共和党大統領候補”が確定的になる中で、ワシントンの外交・安全保障関係者が見るアジアの戦略的意味を改めて強調する内容だと言えるでしょう。
フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事、皆様もよろしければご一緒に。
Ukraine Is Losing the Drone War【Eric Schmidt／Foreign Affairs／1月22日付】
How the West can Match Russia in Drone Innovation【Samuel Bendett, Jane Pinelis／War on the Rocks／1月25日付】
「ロシア軍が最初にキーウに向けて進軍した後、ウクライナ軍は、より強力な侵略者を阻止するのに役立った技術的な創意工夫を称賛された。今、ロシアは技術革新競争に追いつき、ウクライナは外部パートナーからの軍事援助の流れを維持するのに苦労している。この局面でロシアの優位性を削ぐためには、ウクライナとその同盟国は防衛生産を増強するだけでなく、ロシアの手強い新型無人機に対抗できる技術の開発と拡張に投資する必要がある」
このように警鐘を鳴らすのはエリック・シュミット。グーグルの元CEOであり、ロシア・ウクライナ戦争開始後は「ウクライナの民主化への戦いに時間とリソースを捧げ、人道的活動とウクライナのテック・エコシステムの両方を支援する」ようになっている。
そのシュミットが米「フォーリン・アフェアーズ（FA）」誌サイトに「ドローン戦争で敗北しつつあるウクライナ」を寄稿（1月22日付）。ロシアに対する善戦の大きな要因のひとつであるドローン活用の面でウクライナは今、「優位性を失いつつ」あるとし、次のような点を指摘する。……
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