「今週のトランプ」ラウンドアップ
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トランプ大統領の発言とアクション(6月12日~19日):イラン攻撃をめぐりMAGA派にも亀裂
トランプ大統領の発言とアクション(6月12日~19日):イラン攻撃をめぐりMAGA派にも亀裂

トランプ政権の「2週間」は時間稼ぎの決まり文句との指摘もあるが……[「イランへの攻撃について今後2週間に決定を下す」との大統領声明を伝えたレビット報道官=2025年6月19日](C)EPA=時事
国防総省のパワーバランスにも変化
「私にとって最も誇りとなるレガシーは、『平和の担い手となり、人々をひとつにする存在』になることだ」――ドナルド・トランプ氏が1月20日、大統領就任演説で放った言葉だ。あれから約半年、トランプ氏の「平和を築く存在」=ピースメーカーとしての力量が試されている。
イスラエルがイランを攻撃した6月13日以降、中東情勢の緊迫化がさらに進んでいる。トランプ氏は主要7カ国(G7)首脳会議を途中で退席し、帰国。6月17日には、トゥルース・ソーシャルで「無条件降伏せよ」、「イラン上空を完全に制圧した」と投稿した。米CBSは、国家安全保障会議(NSC)および作戦指令室(シチュエーション・ルーム)での会合を経て、同日中にトランプ氏がイラン攻撃計画を承認したものの、実施の最終判断は保留していると伝えた。
翌18日にはトランプ氏自身が記者団に対し、「(イラン攻撃を)するかもしれないし、しないかもしれない」と言及した。軍事介入への明言は避けているが、その準備を進める動きは急だ。ここ数日の間に少なくとも30機もの給油機が米国内の基地から欧州に移動し、中東に展開中だった空母「カール・ビンソン」打撃群に同「ニミッツ」打撃群が合流の予定。同「ジェラルド・フォード」打撃群が東地中海に移動するとの報道もあり、空母3隻体制での中東展開も想定される。
米国防総省内でのパワーバランスも、イラン強硬派にシフトしつつあるかのようだ。

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