「今週のトランプ」ラウンドアップ
「今週のトランプ」ラウンドアップ (32)

トランプ大統領の発言とアクション(10月16日~23日):南米で本格化する「モンロー・ドクトリン2.0」、麻薬ボート攻撃の本当の狙いは?

執筆者:安田佐和子 2025年10月25日
エリア: アジア 北米 中南米
19世紀のモンロー宣言が目指したのはヨーロッパからの干渉の排除。21世紀の“2.0”で排除するのは……[2025年9月15日にホワイトハウスのX公式アカウントに投稿された動画からのスクリーンショット。トランプ大統領は米国に向かうベネズエラの麻薬カルテルの船舶を米軍が攻撃したと述べた](C)The White House/Handout via REUTERS
トランプ大統領と政権キーパーソンから飛び出した1週間分の発言を、ストリート・インサイツ代表取締役・安田佐和子氏がマーケットへの影響を中心に詳細解説。▼強硬派の中国WTO大使は“クビにされた”と煽る▼中国系(?)有力インフルエンサーの「絵解き」▼中国レアアース輸出規制強化の本当の引き金▼ベネズエラへの「地上攻撃」にも言及▼転換点を迎えている「ピンクの潮流」

 

強硬派の中国WTO大使は“クビにされた”と煽る

 英エコノミスト誌(10月25日号)は、米国と中国のバスケットボール選手が頭上のボールを奪い合うイラストをカバーに使った。伸ばした手が地球を象ったボールに届きそうなのは中国だ。実際、中国は両国の貿易戦争で優位に立つ。半導体や自動車産業に不可欠なレアアース(希土類)の採掘で世界シェアの約70%、精製で約90%を担っており、交渉の主導権を握っていると目される。

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執筆者プロフィール
安田佐和子(やすださわこ) ストリート・インサイツ代表取締役、経済アナリスト 世界各国の中銀政策およびマクロ経済担当の為替ライターの経験を経て、2005年からニューヨークに拠点を移し、金融・経済の最前線、ウォール街で取材活動に従事するかたわら、自身のブログ「My Big Apple NY」で現地ならではの情報も配信。2015年に帰国、三井物産戦略研究所にて北米経済担当の研究員、双日総合研究所で米国政治経済や経済安全保障などの上級主任/研究員を経て、株式会社ストリート・インサイツを設立。その他、トレーダムにて為替アンバサダー、計量サステナビリティ学機構にて第三者委員会委員、日本貴金属マーケット協会のフェローを務める。
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