二〇〇八年八月、医薬品の流通に異業種が参入するというニュースが業界内の話題をさらった。古くから医薬品の流通は、製薬メーカーが医薬品卸に仕切(卸)値で卸し、医薬品卸が病院と価格交渉して医薬品を納入する仕組みで、大手製薬メーカーと関係が深い医薬品卸が独占してきた市場だ。 その医薬品流通の世界に飛び込んだのが“クロネコヤマトの宅急便”で知られるヤマトホールディングス(ヤマト)である。子会社のヤマトロジスティクスが、聖マリアンナ医科大学病院とジェネリック(後発)医薬品メーカー大手の大洋薬品工業との三者間で後発医薬品を配送する「ヤマトメディカルダイレクト」と呼ぶシステムを開発。神奈川県に医薬品専門の物流センターを設け、昨年九月から配送を開始した。
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