米格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はこの秋、東京証券取引所から三十六歳の内誠一郎氏を引き抜き、株価指数部門のトップに据えた。ライバル会社からのヘッドハンティングは日常茶飯事の金融・証券業界だが、この人事はS&Pと東証の競争関係を表すものとして話題になった。 内氏は東証在籍時、二十代でニューヨーク駐在を三年間務め、帰国後は株価指数のスペシャリストとしてS&Pに出向していた。「語学力、交渉力、専門知識ともに申し分なく、将来の幹部候補として期待されていた人材」(東証関係者)だけに、彼の転職には東証内部でも衝撃が走ったという。
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