「格上げ」で危うさが増したロシア市場

誰もが行き過ぎだと思っている強気相場。国債の格上げをきっかけに、このうえさらに米欧マネーが流れ込めば……[ロンドン発]「歴史が再び作られた」。モスクワに本社を置くロシアの大手証券トロイカ・ジアログは十月九日、顧客向けの投資資料のなかで誇らしげに宣言した。前日、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがロシアのドル建て国債の格付けを、「投資不適格」の範囲に入るBa2から「投資適格」のBaa3へと二段階引き上げたからだ。 投資適格の格付けは、投資家が安心して運用資金を投じるための重要な目安。一九九八年の金融危機でデフォルト(債務不履行)を起こしたロシアにとって、国際市場での信頼の証である投資適格への格上げは長年の悲願だった。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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