台湾半導体メーカーはDRAM勢力図を変えるか

執筆者:Foresight 2004年9月号
エリア: アジア

 台湾の中堅半導体メーカーが元気だ。世界的なIT(情報技術)好況を背景に、代表的な半導体メモリーであるDRAMを手がける力晶半導体、茂徳科技、南亜科技、華邦電子の四社は二〇〇四年四―六月期に過去最高水準の利益を計上した。四社はそれぞれ新工場の建設計画を打ち出しており、投資総額は一兆円を超える。業績を好感し、華人社会独特のリスクマネーが台湾に流れ込んでいる。新工場は二〇〇五年後半から順次稼働する。 彼らはDRAMの世界シェアで各社五%以下の下位メーカーだが、見くびるのは早計だ。新規参入に近いが故に、直径十二インチの大型シリコンウエハーを使う最新鋭工場を建設できる。ウエハー一枚当たりのDRAMチップの生産個数が従来の八インチウエハーの二倍以上となり、生産コストが三割は下がると言われる。標準品で一個四―五ドルと損益分岐点に近い価格帯で勝負しているDRAMビジネスでは決定的な差となる。

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