インテリジェンス・ナウ

「機密」を講演で語りPCに取り込んでいた愛人――CIA前長官を追い込む情報続く

執筆者:春名幹男 2012年11月15日
タグ: CIA 中国 大統領選

 デービッド・ペトレアス米中央情報局(CIA)長官(60)の突然の辞任。単なる不倫騒動ではないと思っていたが、案の定、次々と新事実が明るみに出て来た。
 第1に、不倫相手のポーラ・ブロードウェルさん(40)は機密とみられる情報を公開の講演会で喋り、機密文書を自分のパソコン(PC)に取り込んでいた。
 第2に、長官もブロードウェルさんも、自分たちのコミュニケーションのために「Gメール」に個人のアカウントを設定。彼らのアカウントがハッキングされた可能性をFBIは恐れていた。
 第3に、米大使ら4人が死亡したリビアの米領事館襲撃事件では、アフリカ軍司令官や関係者が次々と辞任の動きを示しており、ペトレアス氏にも圧力が迫っていたことだ。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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