「百万台」の公約が危うくなった日産の焦り

執筆者: 2005年1月号
タグ: 日本

[ニューヨーク発]「百万台増ではなくて九十九万台だったら、私は辞めるべきですか?」。日産自動車のカルロス・ゴーン社長は最近、こんな微妙な物言いをするという。 二〇〇四年十月からの一年間で、いま(二〇〇一年度末)の数字に百万台を上乗せした新車を売る――。仏ルノーから日産に乗り込んで、驚異的な財務リストラに成功したゴーン社長。彼は二〇〇二年に、財務から本業復活に力点を移す新中期経営計画「日産180」を打ち出した。 世界市場での新車販売「百万台増」は、この時の殺し文句だ。ゴーン社長は「達成できなければ辞任する」と胸を張ったものだった。増やすという百万台の内訳は、去る九月の修正を経て米国三十六万台、日本二十二万台、欧州七万台、「その他地域」が三十五万台。これを二〇〇一年度の新車販売台数に加えれば、世界で三百五十九万七千台になる。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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