ミャンマー軍事政権で序列三位だったキン・ニュン首相(当時)が昨年十月に不正蓄財容疑などで逮捕、更迭された。以来、ヤンゴン駐在の各国外交団の情報収集能力が著しく低下。軍政指導部幹部の動静すら把握に手間取っている。 これは、キン・ニュン氏が二十年以上掌握していた秘密警察部門の国防省情報総局(MI)からのリークに全面的に依存してきたためだ。同氏の失脚とともにMI人脈が一掃され、機密事項も含めた軍政サイドの情報が完全に途絶えた。情報収集で珍しく評価の高かった日本大使館も、いまや「偏った情報源に長年頼ってきた」(外務省高官)ことを責められている。

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