活発化する金融再編「露骨な自国保護」で恨まれるイタリア

執筆者: 2005年7月号
エリア: ヨーロッパ

 欧州で国境を超えた金融再編の動きが活発化している。だが、足枷となっているのが各国の「自己防衛本能」。イタリア中央銀行が外銀による買収の妨害に動いたとされる一方で、ドイツ国内でも伊銀による買収計画への警戒感が広がるなど、統合推進の「建前」と自国保護の「本音」が衝突する場面が目立つ。 この六月には伊大手銀ウニクレディトによる独銀第二位ヒポ・フェラインス買収が発表された。両行は五月末、事業統合の交渉を進めていることを認めていた。 買収総額は百五十四億ユーロ。欧州第九位の銀行が誕生し、ユーロ圏の国境を超えた銀行統合では史上最大となる。他でもないドイツの有力銀行を外銀が買収する初めての事例だけに衝撃は大きい。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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