欧州のメディア企業最大手、ドイツのベルテルスマンが株式公開を検討している。長年にわたってモーン一族が支配する同社は、欧州では残された数少ない同族企業。カネ余りで投資先を探している投資家には大きなニュースが飛び込んできた。 仕掛けたのは、ベルギーの投資会社グループ、ブリュッセル・ランベールを率いる著名投資家アルベール・フレール氏(八〇)。二〇〇一年に欧州最大のテレビ会社RTLの保有株式三〇%をベルテルスマンに売る見返りとして得た同社株二五%を、保有期間が切れる〇六年五月以降に株式市場で売る権利の行使を申し出てきたからだ。その額は市場推定で五十億ユーロ(約七千億円)と言われる。フレール氏側は投資先をメディアから素材産業に向けるため、「市場環境が許せば〇七年初めに市場で売却したい」としている。
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