米国から世界へ「買収ファンド」膨張加速中

執筆者: 2007年2月号
タグ: 日本
エリア: 北米

時価総額十兆円の企業さえ呑みこまれるかもしれない。巨大化する一方の買収ファンドが内包する「真の危険性」とは何か。[ワシントン発]「近年まれに見る下手糞なディール」 米金融関係者の間でそう揶揄されたM&A(企業の合併・買収)がある。昨年三月、西海岸の地方新聞グループ、マクラッチーが総合メディアのナイトリッダーを買収した案件だ。マクラッチーの株価は買収後に急落。米国の代表的な株価指標、ダウ工業株三十種平均株価が昨年一年間で三十回以上も最高値を更新したにもかかわらず、マクラッチーの下落率(約二八%)は大型M&Aを手がけた米企業群の中で最大となり、あえなく「ワーストディール」という汚名に塗れてしまった。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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