かつて、ナチス・ドイツが欧州のユダヤ人を迫害したホロコースト(大虐殺)。史実を曲げるかのごとき会議の狙いとは――。 ホロコースト研究者のデボラ・リプシュタット(米エモリ大学教授)はその著書の冒頭に、テレビ局が企画したホロコースト否定論者との討論番組への出演依頼を断った際のエピソードを、かなり苛立った調子で書いている。「彼ら(否定論者)と同じ席で議論すること自体、その主張に正当性を与え、彼らの反ユダヤ主義イデオロギーをあたかもまともな歴史研究のように扱うことになる」というリプシュタットの説明を番組担当者はほとんど理解しようとせず、逆に彼女に「テレビの視聴者は(ホロコーストに関し)他の見方があることも知るべきではないでしょうか」といったという。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン