「百万人じゃない。正確には百五十万人が目標です」。中国政府筋は、二〇〇八年八月に北京オリンピックが開幕する直前の六月末までに、「北京市から他の地域に流出する」出稼ぎ労働者(民工)の人数を明言した。 昨年九月、北京市の「二〇〇八環境建設指揮部」は、五輪関連の建設で集まった民工について「雇用している企業と政府関連部門が協力し、帰省できる制度を整えなければならない」とし、物議を醸した。北京市としては五輪期間中の安全と安定を確保する「当然の策」だが、国内で「百万人の民工が首都から強制排除される」と報じられ、国際人権団体からの批判を呼んだ。当局は急遽、会見を開き「報道は誤っている」と釈明した。
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