深層レポート 日本の政治 (87)

「復党第二弾」を強引に乗り切った首相の次なる試金石

執筆者: 2007年4月号
エリア: アジア

「欠席した三人の票がなければ可否同数だったよ。おー危ない、危ない」 郵政造反組の衛藤晟一前衆議院議員の復党を十対七の賛成多数で決定した三月九日夜の自民党党紀委員会終了後、記者団の前に現れた笹川尭党紀委員長は言葉と裏腹に、反対票が多く出たことをむしろ喜んでいる様子だった。 笹川氏はいわゆる復党反対派ではない。郵政選挙で議席を維持した造反組の現職議員十一人を復党させた昨年も、「落選した候補も見捨てない。救済するときは一括して救済していくのが一番正しい道だ」と落選組を含めた一括復党を主張し、中川秀直幹事長と火花を散らした。今回も衛藤氏だけを特別扱いせず、藤井孝男元運輸相や八代英太元郵政相らほかの落選組の復党も一括して認めるべきだという意見だった。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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