パリ南郊モンルージュで警察官を射殺し、その後パリ東部ヴァンセンヌ門のユダヤ人スーパーで4人を殺害した後に人質を取って立てこもり、最終的に射殺されたアメディ・クリバリは、マリ移民2世である。「クリバリ」は、マリを中心とする西アフリカ一円で非常に多い姓だ。連続テロ後の2月に南仏ニースでユダヤ教関連施設を警備していた兵士を襲って2人にけがを負わせたテロの容疑者ムサ・クリバリも同姓だが、姻戚関係はない。
アメディ・クリバリは1982年2月27日、セーヌ川に面したパリ南郊ジュヴィジ=シュー=ロルジュで、マリからの移民家庭に生まれた。全部で10人の子どもの7番目で、アメディ以外は全員女の子だった。セーヌ川沿いに数キロさかのぼったグリニーで育った。

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