火ダネだらけのカフカスで五輪を開くことになったので

執筆者: 2007年9月号
エリア: ヨーロッパ

 二〇一四年冬季五輪がロシアの保養地ソチでの開催に決まったことで、早くも隣国グルジアとの軋轢が浮上、祭典の「政治化」は避けられそうにない。 カフカス山脈の麓、黒海に面するソチの目と鼻の先には、グルジアからの独立運動が続くアブハジア自治共和国がある。北大西洋条約機構(NATO)加盟を目指すグルジアへの圧力として、ロシアがアブハジア独立派を支援していることは公然の秘密。 グルジアのブルジャナゼ国会議長は七月末、ソチ五輪決定を受け「ロシアは五輪を隠れ蓑にアブハジアに投資してはならない。さもないとソチ五輪は、ソ連のアフガニスタン介入で西側にボイコットされた一九八〇年モスクワ五輪の二の舞だ」と警告した。

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