“虎の子”の大型LNG船をIHIは商売にできるか

執筆者: 2007年12月号
タグ: 韓国

 ボイラー事業の巨額赤字が発覚し伊藤源嗣会長が辞任表明するなど、経営管理能力を問われているIHI。業績浮上が喫緊の課題だが、その鍵となりそうなのが、タンク内の液体の揺れを防ぐ、世界でも独自の「SPB」技術を用いた大型液化天然ガス(LNG)船事業だ。 中東の産ガス国は巨大なLNG生産基地を建設中だが、同時に必要なのが、欧米への輸出増を担う大型船。輸送効率を上げるためにはスエズ運河を通りたいが、それには橋梁の下を通過できる背の低い船舶が必須だ。 既存の球形タンク搭載船を大型化すると橋梁下を通れない。船体内にタンクを備える旧型を大型化すると、タンク内の液体が過剰に揺れて火災発生の危険性が増す。その点、SPB仕様だと火災が発生せず、船舶の高さもクリアできる。

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