インド軍「任官拒否」続出で士官が足りない!

執筆者: 2008年3月号
エリア: アジア

 兵士の数でいえば世界第四位の規模を誇るインド軍で、士官不足が深刻になっている。インド経済が急速に成長するなか、優秀な若者は民間企業に採られてしまうからだ。 現在、イギリス統治時代から続くインド国防大学で学ぶ士官候補生は八十六人。本来、毎年二百五十人の幹部候補生がいなければならないのだが、定員は埋まらない。一方、一般大学を卒業して軍隊に入るための試験に合格した百四十八人のうち、六十二人が「任官を拒否」して民間企業に就職してしまった。 正規軍百三十二万五千人のインド軍は四万六千六百十五人の幹部将校を必要とするが、一万一千二百人の欠員がある。そのうえ、中間層の士官三千人が早期退職を希望している。しかも、問題は数の不足だけでなく、質の低下も深刻だ。

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