福田首相の「最初で最後のサミット」

執筆者:名越健郎 2008年9月号
エリア: アジア

 地球温暖化問題が最大の議題となった北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は、2050年までの温室効果ガス半減目標を共有することで合意したが、原油・食料価格高騰対策には踏み込まなかった。40年も先の目標設定でレトリックに終始し、「今そこにある危機」(clear and present danger)は放置した印象が残る。 カナダのサミット研究機関「G8研究グループ」は洞爺湖サミットの総合評価を78点とし、過去33年の歴史で最高点の一つを与えた。議長・福田首相の評定も「A」だったが、即効性がなければ、22カ国首脳が一堂に会したサミットの有難味は湧かない。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 拓殖大学海外事情研究所客員教授。1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所客員教授。国際教養大学特任教授、拓殖大学特任教授を経て、2024年から現職。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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