森ビルが上海で二〇〇八年十月に開業したばかりの高層ビル「上海ワールドフィナンシャルセンター」(高さ四百九十二メートル)の隣で、大幅にそれを上回る高さのビル「上海タワー」(六百三十二メートル)の建設が十一月末に始まった。依然続く高層ビルの建設ラッシュに地元では「景気が悪化しているのに、オフィスビルばかり建てて入居する企業があるのだろうか」と疑問の声が出ている。 もっとも、上海タワーは上海の国有企業三社が出資して設立した会社が開発を手がける。いざとなれば、許認可を握る地元政府のバックアップが期待できる。「上海タワーの入居者が少なければ、隣にある森ビルに対抗するための優遇策をいくらでも打ち出す」という見方もある。

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