対イスラエル国交樹立三十周年なのにエジプトは冷たく「祝賀」禁止

執筆者: 2009年5月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東

 イスラエルと平和条約を結び、アラブ世界内で微妙な立場にあるエジプトだが、対イスラエル国交樹立三十年を迎えた三月も、「冷たい和平」を象徴するようにエジプト国内で祝賀行事は一切行なわれなかった。 国交があるとはいえ、両国の関係は良好とはいえない。カイロではイスラエル大使館を訪ねただけで、要注意人物としてエジプト治安当局にファイルが作成されるといわれる。イスラエル当局者に会うと尾行が付いていて、警告の電話がかかってくるとの噂も根強い。 エジプトのメディア団体はイスラエルの存在をないものとして扱っており、私的、公的を問わず外交官や大使館との接触を禁じている。エジプト人記者は団体から追放されてはかなわないとイスラエルを敬遠し、イスラエル外交官は、エジプトでは身に危険が及ぶ恐れがあるため、国籍すら隠して行動しているのが実情だ。

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池内恵の中東通信

池内恵(いけうちさとし 東京大学教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について日々少しずつ解説します。

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