日本人なら誰でも心のどこかで気にしながら、「遠い先のこと」と忘れようとしていたことだった。政府の政策や人々の考え方の変化で変わりもする。しかしそれは、間違いなく二十一世紀の日本の姿を変え、日本人に難しい選択を迫るものとなる。 それとは「人口の減少」だ。国連は言う。「日本が急速に減少する労働力人口(十五―六十四歳)を維持するには、今後五十年間に渡って毎年六十万人以上の移民受け入れが必要」と。計算の根拠はこうだ。日本の一九九五年の労働力人口は八千七百万人。二〇五〇年には五千七百万人に減る。五十年で三千万人だから、毎年六十万人の移民(代替移民=replacement immigration)が必要だと。
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