中南海に波紋を広げる江沢民「前立腺ガン」情報

執筆者: 2000年7月号
タグ: 中国
エリア: アジア

 北京の医療関係筋の情報によると、江沢民国家主席は前立腺ガンに冒されている模様だ。今年三月の全国人民代表大会閉幕後、排尿の問題で診断を受けて判明、中南海の医師団が治療を開始したという。「当面、生命に直接かかわるまでの進行ではない」とされるが、中国の権力構造には大きな波紋を広げつつある。江主席の国家主席の任期は二〇〇三年三月までだが、その後も共産党総書記、中央軍事委員会主席などのポストにとどまり、権力を維持するとの見方がこれまで有力だったからだ。 ガンが事実とすれば、こうした権力維持シナリオは根本から狂う。すでに国家主席、総書記の後任をめぐる争いが一部で頭をもたげ始めている。まず、江主席が頭に描く「胡錦濤国家主席」という構想に異論が出ている模様で、李鵬全人代常務委員長、李瑞環全国政治協商会議主席が総書記の後任に名乗りをあげている。人民解放軍も党政治局常務委員への軍人起用の復活などを求めており、「江主席のレームダック化は今年末に向け急速に進む」との見方が有力だ。今後を占うポイントとしては、九月に予定されているニューヨークでの国連総会。もし、代理出席などになれば、病状はかなり悪いということになるだろう。

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