臆面もなく自画自賛できる人間でなければ、政治家にはなれないし、務まらないものだ。「大した取柄も、経験も、実績もありません」などと謙遜していたのでは、まず選挙で相手にされないし、生き馬の目を抜く永田町では生き残れない。うそ偽りは論外だが、多少の誇張は芸のうちと言っていい。 戦前の浜口雄幸内閣の逓信大臣を務めた祖父又次郎以来の政治家の家系に生まれ、既に国会議員歴三十年、首相の座を手中にした小泉純一郎氏もまた、その能力に長けた人物であることは疑いない。しかし、「それにしても」と感じずにはいられない言動が最近の首相には目に付く。七月十一日配信のメールマガジン「らいおんはーと」はその極め付きだ。
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