新聞を読んでもテレビを見ても、株価報道は紋切り型のオンパレードで、マーケットの真実を反映しているとは言い難い。証券会社の都合で流される情報を勉強不足のメディアが鵜呑みにし、「ウソ」がまかり通る構造が温存されているからだ。「景気の先行きに対する不透明感から幅広い銘柄に売り注文が出され、日経平均株価はバブル崩壊後の最安値を更新」――。株式市場に関して連日繰り返される報道は、いつでもどこでも紋切り型のオンパレードだ。いったいなぜなのかと疑問をもたれた読者も居られることだろう。 答えは、新聞、テレビなど多くのメディアが、同一の情報源に頼りっきりになっているから。定期的に異動を繰り返す記者たちの側に、自らの都合に従って流される証券会社の情報の信憑性を検証する知識はほとんどない。しかも、十年一日のごとく繰り返される「解説」は、ここ数年で激変したマーケット構造などお構いなしだ。結果的に株価報道は「ウソ」が垂れ流されやすい構造になっている。
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