1998年8月

執筆者:名越健郎 2003年8月号
エリア: 北米

 ヒラリー・クリントン前米大統領夫人の回顧録『リビング・ヒストリー』は、いきなり初版100万部が出版され、快調な売れ行きのようだ。全562ページの分厚い本だが、最も注目を集めたのは、予想通りクリントン氏が夫人に対し、モニカ・ルインスキーさんとの不倫を認めたシーンだった。「私は泣き出し、叫んだ。どういうことなの? 何を言っているの? 何でウソをついたの?…… ビルは『すまない。君とチェルシー(長女)を守るためだった』と答え、ただ立ち尽くしていた」 1998年8月15日朝、夫人の寝室での会話だが、そのディテールは、全米にあの記憶をよみがえらせた。

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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 拓殖大学海外事情研究所客員教授。1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所客員教授。国際教養大学特任教授、拓殖大学特任教授を経て、2024年から現職。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)、『ゾルゲ事件 80年目の真実』(文春新書)など。
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