ワシントンから少し距離を置いてみよう。そうすると、隆盛を極めるネオコンとは根本的に異なる「草の根保守」の胎動が聞こえてくる。ブッシュ批判を避けて沈黙してきた伝統的保守が再び口を開き始めた。 この夏、相異なる保守潮流を代表する二人の大物論客のエッセーが、米保守陣営内の激しい対立を浮き彫りにした。アービング・クリストルとジョージ・ウィル。アービング・クリストルは、ワシントンのネオコン(ネオコンサーバティブ、新保守主義者)の総帥とみなされているウィリアム・クリストル(オピニオン誌『ウィークリー・スタンダード』編集長)の父親である。ネオコン興隆史をたどった者ならだれでも、息子のウィリアムではなく父のアービングの方こそ、「ネオコンのゴッドファーザー」と呼ばれる本物の総帥であることを知っている。
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