インテリジェンス・ナウ

英スパイ機関MI6をめぐり噴出した疑惑と「反撃」

執筆者:春名幹男 2003年10月号
エリア: ヨーロッパ

 昨年八月から九月にかけて開かれたイギリス政府の内閣府合同情報委員会(JIC)では白熱した論議が戦わされたようだ。 JICは、米政府で言えば、国家安全保障会議(NSC)に似たメンバー構成で国家情報会議(NIC)が扱うような議題を討議するところである。出席者は、トニー・ブレア首相、ジャック・ストロー外相、英情報局保安部(通称MI5)のイライザ・マニンガムブラー長官、英秘密情報局(SIS、通称MI6)のリチャード・ディアラブ長官、ジョン・スカーレットJIC議長ら。 そして、ブレア首相のスピンドクター(情報操作の達人)であるアラステア・キャンベル首相府報道局長(当時)も出席した。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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