「経営トップ自らが問題解決に当たり、原因究明、再発防止に努める」。日本経団連の企業行動憲章には、不祥事が起こった場合の対応策の心得としてこんな一節がある。会社の信用を揺るがすような事態になれば、矢面に立つのは、まず社長である。ただ、記者会見の場で夥しい数のカメラや記者を前に沈着冷静な受け答えができる社長など、日本にはまずいない。万一いたとしても、落ち着いて話すことが事態を改善させるとは限らない。謝罪の会見では何よりも誠実さを表し、次にトップとして状況を完全に掌握していることを示すことが重要。この点だけでも失敗例は枚挙にいとまがない。

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