リーダーたちの失言――不祥事の陰に「経営不良」あり

執筆者:安西巧 2004年3月号
タグ: 日本
エリア: アジア

「経営トップ自らが問題解決に当たり、原因究明、再発防止に努める」。日本経団連の企業行動憲章には、不祥事が起こった場合の対応策の心得としてこんな一節がある。会社の信用を揺るがすような事態になれば、矢面に立つのは、まず社長である。ただ、記者会見の場で夥しい数のカメラや記者を前に沈着冷静な受け答えができる社長など、日本にはまずいない。万一いたとしても、落ち着いて話すことが事態を改善させるとは限らない。謝罪の会見では何よりも誠実さを表し、次にトップとして状況を完全に掌握していることを示すことが重要。この点だけでも失敗例は枚挙にいとまがない。

カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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