次期共和党全国委員会(RNC)委員長の課題

執筆者:足立正彦 2011年1月17日
エリア: 北米

 共和党全国委員会(RNC)の冬季会合が開催された今月14日、次期RNC委員長選挙が168名のRNC委員より行われた。当選には過半数の85名のRNC委員の支持が必要であったが、合計5名が出馬し、7度にも及ぶ票決の結果、次期RNC委員長に共和党ウィスコンシン州委員長のラインス・プリーバスが選出された。プリ―バスは、2012年大統領選の資金集めや選挙戦の差配をすることになる。現職のマイケル・スティールRNC委員長は4度目の票決後にRNC委員長選挙から撤退し、ディック・チェイニー前副大統領やエド・ガレスピー元RNC委員長らが推挙するマリア・チノ元運輸長官代行の支持に回ったが、最終的にRNC委員長選挙を制したのはプリーバスであった。スティールは昨年11月に実施された中間選挙での共和党の歴史的勝利を自らの実績の一つとして挙げつつRNC委員長再選を目指した。だが、指導力不足やRNCが抱える約2000万ドルの借入金、あるいは政治資金調達手腕等について党内から厳しい批判に晒され、僅か1期2年限りでRNC委員長職を退任することになった。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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