中国「凄まじき権力闘争」 江沢民「引退」に引かれた筋道

執筆者:藤田洋毅 2004年10月号
エリア: アジア

「その瞬間、江さんの目から涙がこぼれ落ちました。よほど悔しかったのでしょう」――北京の消息筋はいった。 八月後半、中国共産党中央軍事委拡大会議が開かれ、江沢民・同委主席の辞任を内定、九月十六日から十九日まで開催する第十六期党中央委員会第四回総会(四中総会)で江辞任と胡錦濤総書記の党中央軍事委副主席から主席への昇格を決定する可能性が高まっているという。事態はいまだ流動しむしろ不透明さを増しているが、中南海の深奥で熾烈な権力闘争が展開されていることは間違いない。 九月六日付の米紙ニューヨークタイムズ(電子版)が「江、引退も」と報じ、「突然の政変劇か」と注目を集めた。たしかに辞任となれば「政変」には違いないが、二年前の十六回党大会の経緯を振り返れば、「突然」とは言いきれない。

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