郵政民営化で持株会社となる日本郵政株式会社の社長に就任した西川善文氏が、早くも孤立感を深めている。就任会見で郵便貯金の預け入れ上限一千万円の撤廃や融資業務への早期参入を訴えて、業容拡大路線を明確に打ち出したからだ。 そもそも郵政民営化の目的は民業圧迫の是正。にもかかわらず、記者会見では「政府出資があるために政府の介入や制約を受けることは絶対に排除しなければならない」「(融資業務にも)できるだけ早く参入したい」と繰り返し強調した。 これにさっそく反論したのは郵政民営化委員会の委員長に内定した田中直毅氏。民業圧迫にならないか審議する監視機関の長として、「政府出資があるうちは業務展開に制限があって当然」と西川氏を批判した。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン