大型連休の始まりに、ジョン・ケネス・ガルブレイスの訃報に接した。享年九十七。ハーバード大名誉教授、リベラル(進歩派)経済学者の泰斗だった。日本語になった著作も多く、新聞は一面でその死を報じた。 そのガルブレイスの親友の一人が、保守論壇の重鎮ウィリアム・F・バックリー・ジュニア(八〇)だったことは、日本ではあまり知られていない。片や、教え子ケネディ大統領をはじめ歴代民主党政権のアドバイザー、もう一方はニクソン、レーガン両共和党大統領の友人にして指南役。バックリーは、ガルブレイス流のケインズ派経済学こそ、アメリカの自由主義の敵だと断罪してきた。日本なら「犬猿の仲」だろう。

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