イラク戦争はEBOで形の上では勝利した。だが、「血を流さない戦争」には根本的矛盾が付きまとう。[ワシントン発]ラムズフェルド米国防長官が掲げる「米軍変革」が試行錯誤しながら進んでいる。同時テロ(九・一一)、アフガニスタン攻撃、イラク戦争などを経て世界と米国の安全保障環境が変わる中、世界最強の軍隊を二十一世紀に見合った形にしようとの動きだ。一方で米軍は、広がる戦線、膨らむ犠牲で、入隊者の定員割れを生み、採用基準を下げたり、入隊一時金を支払って兵員を確保する有り様。志願制の米軍は一般社会と乖離し、後述するように作戦面の変化と相俟って戦争の敷居を否応なく下げてしまう恐れがある。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン