西アフリカのギニアでは、一月上旬からの無期限ゼネストに端を発したコンテ大統領と労働組合の対立で政情不安が続いている。日本の首相官邸も在留邦人の安全に影響が出かねないと緊張、日本政府は水面下で旧宗主国のフランス政府に対し、万一の場合はフランス軍による在留邦人救出を要請した。 ゼネスト以降、首都コナクリは官庁や市場、銀行が閉鎖され、都市機能は完全に麻痺した。一月下旬には「ギニア市民団体国家評議会」ら労組、野党グループによるデモ隊と治安部隊が衝突、死者三十人、負傷者百五十人が出た。 コンテ大統領は一九八四年の無血クーデターで政権を握って以来、何度かクーデター危機を乗り切ってきたが、今回はフランスでも「事態収拾には退陣しかないのでは」との見方が強い。

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