「これで二回目だな」「いや、サブプライム問題があるから、今回は不可抗力だよ」 日銀が「濃厚」と報じられてきた追加利上げの見送りを決めた八月二十三日、金融担当記者の間では、言い訳めいた会話が交わされていた。 日銀は景気の持ち直しを受け、昨年三月に量的緩和政策を、同七月にはゼロ金利政策を相次いで解除。そして、今年八月には三回目の金利引き上げを実施する可能性が高いと、新聞各紙がそろって報じていた。しかし七月下旬以降、サブプライムローンと呼ばれる米国の低所得者向け住宅融資の焦げ付きから、日米欧の主要株式市場が軒並み暴落。日銀は金利の据え置きを決め、前打ち記事はこぞって外れた。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン