それでも内部対立を繰り返すNECの迷妄

執筆者:Foresight 2008年1月号
タグ: 半導体 日銀 日本

どうやら巨大な商機も控えているらしいが、市場の評価はぱっとしない。主力事業間の根深い反目が挽回のチャンスを奪っている。 十一月十一日、十八年間にわたりNECのトップに君臨した関本忠弘氏が亡くなった。享年八十。NEC関係者は「中興の祖」の死を複雑な心境で悼んでいる。 関本氏の社長就任は一九八〇年。当時一兆円程度だったNECの連結売上高を九八年の会長退任時までに五兆円近くまで伸ばした。牽引役となったのはパソコンと半導体。パソコンでは独自の基本ソフト(OS)を搭載した「PC-9800」シリーズで国内市場を席捲した。半導体では八〇年代の後半に世界シェアトップに。これに触発される形で東芝や日立製作所なども攻勢に出たため、「日の丸半導体」という言葉まで生まれた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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