インテリジェンス・ナウ

クリントン氏の「メール問題」再燃も――裏にオバマ大統領の陰謀?

執筆者:春名幹男 2016年1月20日
エリア: 北米

 2月1日から始まる米民主・共和両党の大統領選挙予備選。日本メディアは今もトランプ旋風に目を向けるが、両党を通じて最も強力な候補者は、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)だ。
 しかし、国務長官在任中に公務で私用メールアドレスを使って公務のメールを交わしていた問題がクリアされたわけではない。
 国務省は、予備選に入る直前の1月末までに、約3万通に上る公務メールをすべて公開する予定。昨年末までに2万4436通が公開されたが、AP通信によると、このうち1274通が機密情報と分類されたという。
 だが、機密に指定され、法律上も問題があると判断されたメールの存在が明らかにされたわけではない。外交誌フォーリン・ポリシー電子版が伝えた10通足らずのメールの内容は、「ラジオで閣議があると聞いたが、私は行けるか」「10:15に会議場所に着いたが、会議はやっていない」「私用のリンゴはどうやって買うの?」など他愛のないものが大半。一体、問題の本質はどこにあるのか。陰謀論も渦巻く中、事件の周辺を追った。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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