インテリジェンス・ナウ
ワシントンで不審死した「プーチン元側近」:FBIへの寝返り阻止?
いつものように、今年3月のワシントン取材も、デュポンサークルのクラブに投宿した。そこは便利で動きやすく、雰囲気がいい。
いつもと違う気分になったのは、近くの別のホテルで昨年11月、ある奇妙な事件が起きていたことを知ったからだった。
「デュポンサークル・ホテル」。決してファンシーではない4つ星のホテル。特派員時代、ここで開かれたシンポジウムを傍聴したことも何回かあった。「日米半導体合意」の密約文書がほしい、と元米政府高官に頼むとこのホテルに来いと指示され、文書を持つ米紙記者を紹介されたこともあった。米政府機関が招待客を泊める宿としてもよく使われる、と聞いた。
だが、ここでプーチン・ロシア大統領の元側近の男が不審死していたというのだ。なぜ元側近をこんなところで殺(あや)めたのだろうか。
そして、ロシア情報機関の犯罪、との証拠が確認されれば、「米ロ冷戦」は深刻な段階を迎えるのではないか。

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