15年ぶり「減産合意」の行方と「新ピークオイル論」:2017年原油価格

執筆者:岩瀬昇 2017年1月5日
OPEC・非OPECの協調減産合意を発表するロシアのノヴァク・エネルギー相、アルサダOPEC議長(カタール・エネルギー工業相)、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相(左から) (c)EPA=時事

 2016年12月10日、15年ぶりにOPEC(石油輸出国機構)と非OPEC産油国が協調減産で合意した。2017年1月から6カ月間、OPECが120万BD(Barrel per Day、日量バレル)、非OPECが55万8000BD、合計180万BD弱の減産をするという合意である。7月以降は市場動向を見て、5月末の次回OPEC総会で決めることになっている。
 市場はこの動きを好感し、NYMEX(New York Mercantile Exchange)に上場されているWTI(West Texas Intermediate)原油の期近ものの価格は約17%値上がりした。
 OPEC総会前日の11月29日の終値は、バレルあたり45.23ドルだったが、12月10日にロシアを始めとする非OPEC産油国11カ国が協調減産に合意すると、週明けの12月12日には52.83ドルにまで上昇したのだ。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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