大恐慌は予防できるか

執筆者:名越健郎 2008年12月号
タグ: 大統領選

 米国発の金融危機が猛威を振るっている。ワシントン・ポスト紙が「1929年の再来か?」と書き、世論調査で6割の米国民が「大恐慌の到来」を憂慮するなど、約80年前の大恐慌の恐怖が公然と語られるようになってきた。 ニューヨークの証券市場はジェットコースター並みに乱高下し、証券4位のリーマン・ブラザーズは157年の歴史を閉じた。3番手のメリルリンチは買収され、保険最大手AIGは政府から巨額の公的資金を受ける。証券自由化を極限まで推進したブッシュ大統領は、大恐慌を招いたフーバー大統領と同一視され始めた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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